国東探訪

「戸」のつく地名と封印の謎。

Amazonを徘徊していたら、ある本の紹介文が目についた。

神戸や水戸など「戸」がついた地名は、虐殺されたアイヌの怨念を封印した場所であることを知り、

日本列島祈りの旅1|Amazon.co.jp

最近、国東半島の183霊場を調べていたのだが、その第1番霊場は宇佐市の封戸(ふべ)にある。もし「戸」に封じるという意味合いがあるのだとしたら、「封」と「戸」で厳重に封じられているのではないだろうか。

本の内容にはあまり興味が持てなかったものの、その一節が頭から離れず、思わず購入してしまった。

読んだ結果、その部分は本筋から外れているためあまり詳しい由来はわからなかった。その話の出どころは岐阜の神職さんだということは書かれていたが、その人がどういう経緯で入手した情報なのかは不明のままだ。(そして本は予想以上におもしろかった。)

全国には「戸」のつく地名が点在している。その中でも、青森と岩手には「一戸」から「九戸」まで(四戸は今はない)ある。

もともとアイヌ民族は全国各地で暮らしていたが、大和民族が東北〜北海道まで追い上げた。戦いのあった跡地ではアイヌの怨念を封じる儀式を行い、その印として地名に「戸」とつけたという。(ただし続編では、「戸」が意味するのは封印で、封じられているのはアイヌとは限らないという話も出てくる。)

東北の方向を「鬼門」と呼ぶのは中国から来た考え方だが、日本では殊更忌み嫌われている。たとえば、京都の東北には比叡山延暦寺、江戸の東北には東叡山寛永寺があり、鬼門に対する守りの要とされているのは有名な話だ。

都市計画だけではなく、建築においても鬼門は重要視された。京都御所の築地塀は東北の角だけがへこんでいるし、大分県日出町に残る日出城には東北の角を欠いた造りの「鬼門櫓」と呼ばれる二階建ての櫓が今も残っている。それらはすべて、東北に追いやられたアイヌの怨念を恐れているからだというのだ。

「戸」がつく地名についてリサーチしてみたところ、神さまとのご縁が深い神聖な場所説、地震で強く揺れやすい=龍脈説、土地の神様が封印されている説、「物部」が封印されている説など、いろいろな説があることがわかった。アイヌかどうかはともかく、何かのエネルギーが止まっている場所ではあるのではないだろうか。

「封戸」は、ちょうど宇佐神宮から国東半島へ向かう途中にある。さらに、直線距離で約5キロほど離れたところには、比叡山、東叡山と並ぶ三大叡山のひとつ、西叡山高山寺がある。その位置関係を見たときに、もし何かが封じられているとするならば、それは国東半島なのではないかと思った。

国東半島は、鬼と縁が深い。まさに「鬼門」の「鬼」だ。しかも、悪いものとしてではなく、祖先の霊と同一視されている。

調べてみたところ、国東半島にはいくつか「戸」のつく地名がある。

  • 封戸(宇佐市)
  • 間戸(豊後高田市)
  • 岩戸寺(国東市)
  • 瀬戸田(国東市)

本の中で「戸」のつく例としてあげられる地名はすべて「◯戸」(神戸、水戸、八戸など)なので、岩戸寺と瀬戸田が含まれるのかはわからない。

ただ、豊後高田市の田染地区にある間戸については、何かあるのではないかと思っている。まず、封戸、高山寺、間戸はほぼほぼ一直線上にある。しかも、間戸には穴井戸観音、朝日観音、夕日観音など、大切にされてきた霊場が多い。

調査を進めたいところなのだけれど、あいにく図書館が開いておらず、なかなか調べようがない。もし他にも国東半島に「戸」のつく地名(字名)があるのをご存知の方がおいででしたら、教えてください!

2020.7.24追記:

続きを書きました。

「戸」のつく地名と「へ」の謎。 以前、【戸】のつく地名は封印を意味している(と書かれている本を読んだ)という記事を書いた。 https://chihiroara...